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平成25年度 地域密着型金融に関する会議(シンポジウム)の開催結果について

1.開催日時・場所

  平成26年2月28日(金) 13:00~16:00
  (場所:ANAクラウンプラザホテル金沢)

2.参加者の概要

  約160名
  (地域金融機関、政府系金融機関、商工団体、経営支援の担い手、地方公共団体 等)

3.シンポジウムの議事次第

(1)開催挨拶
    北陸財務局長  工藤     均

(2)基調報告(テーマをクリックすると発表資料を御覧いただけます)
    「我が国金融機関による中小企業のトップライン支援等に関する調査報告」
    株式会社NTTデータ経営研究所 取締役会長  山本 謙三 氏

(3)管外の金融機関の取組み発表(テーマをクリックすると発表資料を御覧いただけます)
    「経営技術支援による観光振興」 
    肥後銀行 取締役頭取  甲斐 隆博 氏

    「うどん県発!地域主導型再生可能エネルギー推進による地域活性化への取組み支援」
    高松信用金庫 理事長  蓮井 明博 氏

(4)管内の金融機関の取組み発表(テーマをクリックすると発表資料を御覧いただけます)
    「北陸新幹線開業に向けた地域活性化への取組み」
    富山信用金庫 理事長  山地     清 氏

(5)パネルディスカッション
   ➢ テーマ 「地域経済の活性化に向けて ~金融機関が果たすべき役割~」
   ➢ パネリスト(五十音順)
      肥後銀行 取締役頭取                                  甲斐 隆博 氏
      石川県中小企業団体中央会 専務理事          中村     明 氏
      福井県立大学 教授                                      南保     勝 氏
      高松信用金庫 理事長                                  蓮井 明博 氏
      株式会社本螺子製作所 代表取締役社長      本     裕一 氏
      富山信用金庫 理事長                                  山地     清 氏
   ➢ コーディネーター  北陸財務局理財部長  林     收 

パネルディスカッションにおける発言要旨

〇肥後銀行  取締役頭取 甲斐 氏

・ 地域観光産業の振興にあたっては、自治体や大学、経済界のトップが相互に議論し、方向感を決め、合意形成している。例えば、熊本駅の周辺の整備については、「くまもと都市戦略会議」のメンバーである熊本県知事、熊本市長、熊本大学学長、経済同友会代表幹事(甲斐頭取)、商工会議所会頭に、JR九州社長を加えて、駅前開発事業や周辺の観光を含めた方向感を議論している。
・ 地方の金融機関は、地方の産業界にとって重要な位置付けにある。まずは金融機関が元気にならないと地域が活性化しない。金融機関が元気になる、すなわち外に向かって活動できるようになるためには、そのための時間を確保する必要がある。当行では情報の共有化をはじめ、あらゆる業務においてIT化を進め、外に出ていく時間を確保している。大量の情報をスムーズに伝え、共有化して判断していくといった流れをどう作るかといったところに、組織設計上非常に苦労した。今後、行員のITスキルのレベルアップにあわせて、スピード感が出てきて、銀行の元気づくりの源になっていくと考えている。
・ もう一つの元気づくりとして産学官の連携が重要。金融機関、中小企業、行政、教育界の課題は相当共通している。抜本的に解決するためには、それぞれの得意分野を持ち寄って有効な対策を講じていくという枠組みづくりが欠かせない。また、その連携がどれだけ高いレベルで行われているかが、地域活性化の重要なポイントである。
・ 200以上ある中小企業支援策が中小企業に届いていないという話を経済産業局から聞いた。そこで、行内で支援策を業種別にアレンジして共有し、企業に提案できるよう取り組んでおり、ようやく実績がでてきた。行員が融資目標等の達成にこだわりすぎると、このような提案をする余裕がなくなる。経営者としては両者のバランスをどう取るのかが課題。
・ 最近の特徴として言えるのが、決算説明に来る企業が減少しているということ。これが金融機関と中小企業との距離を遠ざけている一つの要因と考える。企業の全体像を理解してもらうには、決算書をベースに支店長とコミュニケーションを図ることが有効。支店長と様々なやり取りを行うことで、経営者としての問題意識に対する回答を得やすくなると思う。
 
〇高松信用金庫  理事長 蓮井 氏

・ トップライン支援では、販路の紹介に加えて、原料調達の紹介も行っている。ビジネスマッチングフェアは非常に効果があり、地元でも開催しているし、信用金庫業界が統一して、今年の11月に東京ドームで全国の信用金庫による2日間のビジネスフェアを開催する準備を進めている。
・ 個別事例では、ジャガイモの安定調達が難しい中小企業から北海道の農家と直接契約できないかという相談を受け、北海道の信用金庫と連携して取り組んだところ、契約につながり、信用金庫のネットワークについても評価をいただいた。信用金庫は地域限定で活動しているところが強みでもあり、弱みでもある。それを補完するのが業界のネットワークで、それぞれが小粒でも連携して動くと強みがでてくる。地域経済も同じだと思う。
・ (甲斐頭取の発言のとおり、)補助金の制度は多いが、なかなか理解されていない。行政にも留意いただきたいが、やはり金融機関の努力不足もある。頑張っている信用金庫もあるので、我々も努力していきたい。
 
〇富山信用金庫  理事長 山地 氏

・ 地域活性化のため富山県への観光客誘致に取り組んでいるが、富山の魅力を伝えないと観光客は増えない。人は何かを得ようと、お金をかけて旅行しており、それに応える何かが必要。
・ 当庫は5年前に、あらゆる相談に乗るため、相談専門店の「B&Lコンサルティングスクエア」を作った。今は、それなりに認知され、人も集まるようになってきた。
・ 経営改善計画策定支援は全国トップの実績だが、儲かるものではない。我々は相互扶助の考え方で、地域になくてはならない金融機関になるために、富山の薬売りではないが、先用後利の考え方で取り組んでいる。
・ 北陸新幹線開業は、地元を支える我々にとって、非常にチャンスでもあり、ピンチでもあるので、地元のために頑張りたいと思っている。
 
〇株式会社本螺子製作所  代表取締役社長 本 氏

・ 我々製造業の会社は本業にはそれなりに自負がある。一方、基調報告にもあったように、本業の周辺は弱いので、そういうところを金融機関や施策でサポートしてもらえるとありがたい。
・ 当社が加盟する組合と地域で「能美改革実践塾」を開講し、各企業から参加者を募り、人材育成を行っている。企業が元気になり、地域を底上げし、地域からものづくりの拠点として発信していくという取組みで、金融機関や中小企業団体中央会、助成制度等の施策に支えてもらい、7年、8年と続けてきている。
・ また、20年ほど前から、決定権のある人が参加する、取引先が重ならない人たちで構成するという2つの取り決めの下、異業種交流のグループを作り、活動している。単独の企業ではわからないこともグループの中で教えてもらえ、異業種のグループに支えてもらったと思う。
・ 会社が苦しいときに、金融機関の「頑張れ、銀行がついている」という一言や、税理士が融資申込みに同行してくれたことが助けとなった。金融機関が公共的な立場から少し踏み込んで「頑張れ」と言ってくれたのは大きな力となった。
・ 景気指標には温度差、時差みたいなものがあり、中小企業に波及してくるまでには時間差がある。そのため、中小企業には大企業とは違う需要があるのかもしれない。金融機関がそれを理解して、支店長や担当者が転勤しても、本部との情報共有・連携により継続して対応してもらえると、企業は金融機関を頼りに更に頑張っていける。
 
〇石川県中小企業団体中央会  専務理事 中村 氏

・ 金融機関から受けている支援について、資金面では安定した調達ができているとの企業の声が多い一方で、協力企業・販売先・仕入先の紹介、海外進出のためのセミナーの開催等の支援を受けているという企業は、ごくわずかであり、金融機関によって差があるのではないかと思う。また、少数意見ではあるが、金融機関は企業の財務的な安定を重視するあまり、企業の存続や発展を支援するというよりは、ブレーキをかける場面が多いという声もあった。
・ 経営資源に乏しい中小企業は、情報収集能力に限界があり、企業が成長する包括的な支援を求めている。金融機関には広く経済情勢を俯瞰したものの見方、見立てを教えていただきたい。そうすれば、経営者は自社の立ち位置を把握し、事業展開を考えることができる。そうした後に企業の実態を踏まえながら適切な投資タイミングなどを話し合える、といった良い関係を築いていただきたい。
・ 最近の中小企業支援策においては、認定支援機関の役割が重視されることが多くなってきている。補助事業実施者の中小企業にとっては、情報等を多く持つ認定経営革新等支援機関である地域金融機関が積極的に関与していただくと、より多くの成果を期待できる。経営面のサポートという観点から、地域金融機関には積極的に事業計画のサポート役になっていただきたい。
・ 地域活性化のためには、地域経済や地域の雇用を担う中小企業の成長が欠かせない。中小企業の情報を多く持っている金融機関、中小企業団体中央会のような経済団体、専門家といった外部機関が、連携を含めて機能発揮してトータル的な支援を行えば、中小企業は成長し、地域は活気を取り戻す。
 
〇福井県立大学  教授 南保 氏

・ 再生可能エネルギーは経済性が低く、金融機関が融資をするのは難しいと感じている。そこに踏み込めるのは信用金庫の強み、凄さである。域内循環型経済を作り上げるということは、大変重要なことだと思う。
・ 金融機関はいろいろな取組みを行っているが、それが企業には見えておらず、「見せる化」が大切で、組織外のコンセンサスをどう得るのかが、問われているのではないか。
・ 起業のためには、起業の企画から、販売・資金回収まで全ての面倒をみて、日常の業務についていろいろ支援する、インキュベーション・マネジャーが不可欠であるが、北陸3県では1人ぐらいと聞いている。北陸3県で更に増やし、横の連携をして、更に中部、全国、世界へと広げていくようなネットワークを持つことも重要。
・ 様々な連携があるが、連携体はうまく機能するようにしなければならない。それには色々な要素が必要で、その一つとして、コーディネーターが挙げられる。コーディネーターを画一的に、一元的に考えすぎているのではないか。コーディネーターにも地域経済に詳しい人材、市場に詳しい人材などが存在しており、こうした人材をうまく連携させれば、生きた、血の通う連携体になっていく。ほとんどの政策は打たれており、素晴らしい連携体はいくつもある。後は、そこにいかに魂を入れ、機能させるかだと思う。
 

平成25年度 リレバンシンポパネルディスカッション写真

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北陸財務局理財部金融監督第一課
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